5年以上経ったし、もう良いだろうと言うことで。

今朝、こんな記事を読んだ。

auのホームIoT、11月から全光回線に 異例の拡大 KDDI、業界標準狙う

http://www.sankei.com/economy/news/170730/ecn1707300007-n1.html

要するにauが先日発表したauホームで、KDDIが業界標準を狙って、他社回線も含めてあらゆる顧客にサービス提供を行うという話。

この戦略の背景には、Amazon等の急速な国内市場進出などあるのは明白。
そして僕はこのニュースをKDDIによる「俺達が食われる前に日本のコンシューマーIoT市場を牽引するぜ」という宣言として読んだ。


ほう、そうか。それで、何でこのタイトル?


その話をする前に、前提として、

僕はKDDIをIoT時代を牽引するポテンシャルがある会社だと思っていた。

ということを伝えたい。


時は遡って2011年末〜2012年初頭、当時僕は大学3年生の就活生だった。

ここに当時の就活終了後の記事が残っている。

やりたいことは、『あらゆるモノがネットワークに繋がる社会を作ること。』 
(中略)
最終的には事務機器メーカーの方に進もうと考えています。
就活を通して事業内容、職種、待遇、そして人、この全てに納得できる会社と感じていたのは二社だけでしたが、そのうちの一社がその事務機器メーカーでした。
結局のところ、あれだけ騒いでいたケータイとは関係ない会社に進むことになったというのも不思議なものだなぁ、と。

いずれにせよ、第一志望に決まることが出来たという意味では成功した、と自分では思っています。

つまり、最終的にほぼ同列の第一志望が2社あって、結果的に富士ゼロックスに行くことにした。
そして3年後に辞めたわけだけど、実はこの【もう1社】がそう。KDDIだったというわけだ。

で、落ちたんだよね。KDDI。笑

就活終了後のBlogにある通り、当時から僕は一貫して今の言葉で言えば「IoT」の時代を作りたいと思って、昔で言う「就活の軸」はIoT時代を牽引できるかどうか?だった。

そして面接ではIoTの時代の到来と、俺が御社でIoTやるから内定くれ!ということを伝えていたわけである。

そして臨んだKDDI最終面接。一次、二次面接と同様にIoT時代がきて、KDDIならゴリゴリやれるぜ!雇って!ということを伝えた。
下記は僕の就活ファイルで、口頭でどんなことを伝えるべきかを纏めたもの。実際のESは200文字だった。
日付を見るに2012年2月に書いたっぽい履歴がある。本記事の最後にテキストをコピペするので興味がある人は読んでほしい。

モノのインターネットをなぜやりたいか?なぜKDDIなのか?15分の面接で最低限伝えたいことだ。

KDDIのES_-_Google_ドキュメント
IMG_0856



これを伝えると、名前は覚えていないが役員が、僕に言った。
「うちを土管屋にするつもりか?」「そのセンサーデバイス自体ではスマホのように通信費はうちに入らないんじゃないか?」

僕は「土管屋だからプラットフォームを握れる可能性がある」「センサーデバイスは無償でもサービス設計でなんとでも課金モデルは作れる。」ということを伝えた。
「上手く行けば輸出もできる広大な市場が出来上がる」ということも。

僕の説明が悪かったのかもしれないが、納得する雰囲気もないままに面接は終了。

結果は前述の通り。


あれから5年。

IoTなんてバズワードの筆頭になった昨今、仕事でKDDIの夏モデル発表会に参加した僕はauホームを発表する田中社長のプレゼンを聞いて「俺がやりたかったのは、これだよこれ!」と1人興奮していた。

そして、今朝の記事を読んでタイトル通りの感情が湧き起こった。


ほら言ったじゃん。IoTの時代が来るからプラットフォーム作ろうって。
もう海外市場は出来上がりつつある状況で輸出は絶望的。
ちゃんとあの時から取り組んでれば2015くらいには発表出来たんじゃないの?

こうやって後から言うは易しではあるし、志望理由以外で落とされた可能性もあるけれど、あの当時のあの役員の反応を見るに、このチャンスに全くピンと来てなかったんだろうなと考えてしまうんですな。

正直遅かったなぁ。国内しか見ないなら圧倒的ユーザー数と販売網で捲れるかもしれんが。。。

以下、前述の内容のコピペ。まあ、今思えば当時からIoTってワードがあったのになぜこんな回りくどい言い方をしてるのか?ということも考える。清書前なので日本語ぐっちゃぐちゃなのも生生しくて笑える。


私は、情報通信の持つポテンシャルの高さに魅力を感じ、通信業界を志望しています。
通信の持つポテンシャルとは、世の中の仕組みを一変させてしまうかもしれないほど、地理的格差や情報格差などあらゆる格差を取り払ってしまうような破壊的技術であると考えています。
また、通信技術によって出来ることや市場は無限に広がっていると考えています。
そして、そんな通信を活かして私が実現したい夢は、世の中のありとあらゆるモノにネットワークに接続する機能を持たせ、それを土台として様々なサービスや価値を生み出し、世の中を変革していくことです。
私は、この世の中にはまだまだ通信機能を持たないモノが数多く存在し、これらに通信機能を持たせることで、新たなビジネスのチャンスを広げることが出来る製品は沢山あると考えています。
市場の広さに着目しても、携帯電話がほぼ一人一台に行き渡った現在において、次の市場を私はその一人一人が持っているモノの市場であると、2020年までに携帯電話の契約者数の5倍や10倍は軽くあるのではないか、と考えています。
私はその新たなモノの市場にチャレンジしていきたいです。
そうしたあらゆるモノをネットワークに接続させる為に一つの選択肢は有線、つまり固定回線。接続の容易性と通信の安定性においては、家庭へのモノのインターネット普及において、気軽な選択肢となり得ます。家やオフィス中に広がるセンサー郡のゲートウェイ端末は有線通信が維持コストの面で大きな活躍を見せると考えています。
もう一つ絶対にはずせない選択肢は無線です。
屋内でセンサー情報等を受け取るには無線が可搬性の面からベストであり、かつGateway側に於いても、また今後登場するであろうより省電力な第5世代通信規格の整備等が行われる頃には、ボタン電池で十分に駆動するキャリア・ネットワークも登場すると考えています。

有線と無線。御社は日本で唯一どちらの回線も自社で握っています。しかもその種類も豊富です。種類が豊富であるということは、モノがインターネットに繋がろうとする際の選択肢も豊富ということです。
さらに御社が掲げる3M戦略。このうちのマルチネットワークとマルチデバイスの二つは私の夢とリンクする部分が非常にあります。
私が貴社に入社したら3M戦略に則り、マルチネットワーク、マルチデバイスかつオープンなモノのインターネット時代に相応しいサービスを顧客に提供します。
KDDIならば、豊富な回線数、潤沢な資金、そして通信インフラを使って、家中のモノがインターネットに繋がり、新たなサービスをお客様に提供可能です。
日本がモノがインターネットに繋がる世界での圧倒的トップを走ることが出来れば、海外へのサービス輸出も可能と考えています。

そして、最後は定性的ですが、チャレンジ精神。私は、この夢を御社の説明会やOB訪問で技術の方や営業の方々にぶつけました。非常に共感していただけました。出来ますか?と聞いた私に、技術の方は実際の通信モジュールを見せてくださいまして、それは2011年の12月でしたが年明けにはこのサイズの半分のサイズのモジュールが出来る。と仰いました。
実現可能性は非常に高いと確信しました。

私は、この夢を持って、世界を変革していきたい。その夢の実現に一番近い会社、もしくは実現可能な会社はKDDIしか無いと考えて志望しました。