朝からこんな目に会うなんて思ってもみなかった。

11:43 俺は京成八幡発11:49分に乗るために本八幡へ降り立った。

駅の階段を降り、全力疾走で走る俺。余裕で間に合う。はずだった。

わずか１０�団�だろうか。デイリーヤマザキのある所を曲がろうとした時だ。

マンホールに乗って思いきり足を滑らせて左に向かって思いきりたたき付けられる俺。右足は水溜まりでずぶ濡れ。おまけに肘を打つ始末だった。

しかしここでスピードを落としたら間に合わないと俺は一気に飛び立ち、また全力疾走を始める。右足は濡れているだけだった。腕は痛かった。

ここで悪夢が襲う。スクランブル交差点に引っ掛かったのだ。刻々と過ぎていく時間。渡ることが出来たのは、11:47分だった。

やばい。また全力疾走。数々のマンホールを避けながら。俺のアディバリケードはオムニ用なのでめっさ滑る。

京成八幡の踏み切りが下がろうとしている。やばい。あと１分か。

直角に曲がった瞬間、悲劇が再び襲い掛かった。

そう。曲がった先にはマンホール。避けきれない。

今度は横ではなく、前にぶっとんだ。親に借りた傘は大破した。そして左膝を打ち、右肩を支点に１回転した。

やばい。肩も足も上がらない。しかも左足は筋を変に伸ばしてしまったらしい。打撲で骨が痛む。

痛みを忘れて立ち上がったとき、テニス部最強だった男がホームから見ていた。
もう間に合わない。しかしＴが待っている。階段を昇り切って切符を買おうとしたとき、本気で右肩が上がらなかった。
コイン投入口に手が届かなかった。
左手でサポートして小銭を突っ込んだ。

この後雨は止み、テニスは出来たが、俺が悲惨な状態だったことは言うまでもないだろう。

服を脱ぐと、正に満身創痍だった。服を３枚、しかもＧジャンを着てたのに思いきり傷が出来ていた。