前回、スタートアップの駆け出しCOOとして採用に関する悩みを書いたわけですが、自分の頭を整理する意味でもこの雑記帳は役に立つのでPart2。

突然だが、どうやら僕(1990年生まれの26歳)には昨今年齢コンプレックスなるものが芽生えてきているらしい。

どういうことかといえば普段の取引先との会話の中で「もきょさん、お幾つなんですか?」と聞かれた時に「20代後半です。」や、「30くらいです。」と答えることがある。

本来であれば「20代半ばです。」とか、素直に「26です。」と答えれば良さそうなものだが、どうやら最近は少し年齢を上に見せようとしている。
この心理を自分なりに分析をしてみると、僕の中に眠るある種の悩みが見え隠れしていたので記事にしてみた。


ちなみに、22~25の社会人なりたて時は普通に当時の年齢を答えていた。
それはもしかして、こういう心理だったのではないか。

【甘え/予防線】
22歳(=新人)だったら、出来ない部分があっても許してくれるだろう
【驕り】
24歳(=若手)なのに、しっかりしていると思われるだろう

前者は「甘ったれたこと言うな!」と怒られそうだし、後輩がそんなこと言ってたら当然叱ることであるのは事実だ。
だがしかし、仕事への期待値を下げるという意味では確かに実年齢を言うメリットがある心理状態だ。

そして後者については、「えー、まだ入社○年目なの?!うちの新人よりしっかりしてるよ!」なんて褒められたい、恐らく自分基準で「平均的な○○歳よりもちゃんと生きている」と思えていた、つまり自信がそれなりにある場合にこういう発想になる可能性がある。

これも「若手」というそれなりの企業ならではの発想から生まれる心理状態ではなかろうか。
つまり、最後にケツを拭いてくれる先輩・上司がいる環境でなければ生まれない心理ではなかろうか。




しかし、スタートアップに入って、それもCOOになってそれが大きく変わった。

  1. 自分が最終判断を下さねばならない、逃げられない
  2. 若き天才や起業家など能力の高い人がうじゃうじゃいる
  3. 役職名と見た目のギャップが大きい


  1. 自分が最終判断を下さねばならない、逃げられない

言わずもがな、もう頼れる先輩、上司はいない。
もちろん組織図にすれば社長(CEO)はいるが、僕にとっては上というよりは、「役割が違う人」と勝手に認識している。

「役割が違う人」というのは、言い換えると「会社を良くする為のアプローチが違う人」である。

僕の中では企業としての哲学を定義し、トータルデザインを描くのがCEOであり、COOはそれを実現させることが仕事だ。

少なくとも僕は、「行動」による「実績」を会社に還元することで企業価値を向上させようとしているて、それはCEOの仕事ではないとすら思っている。

CEOの器と大局観がどうしても目の前の案件と数字に追われるCOOレベルでは到底困るわけだし。

そんなわけで、僕の中で目の前顧客、パートナーに対して行う判断は基本的には自分が下すものと決めている。その意味でパートナーと対話している立場としては、僕の上は無い。
社内で最も顧客、パートナーよりの立場でありながら経営としてベストな決断を下さねばならない。

・・・などと考えているけれど、その判断が正しいかどうか、手練のビジネスマン達を上回ることができるかどうか、ドキドキな毎日

 
 2.若き天才や起業家など能力の高い人がうじゃうじゃいる
僕は自分言うのもなんだが、常に「中の上」くらいで至極真っ当に生きてきた人間だと思う。
そこそこ偏差値の高い中学、高校から、同じくそこそこのMARCHクラスの私大に入って、世間的には結構良い大企業に入社して生きてきた。
その中においては、基本的に「年上」の人というのは、部活にしろ、勉強にしろ、スポーツにしろ、自分より経験が長い分だけ出来るのが当たり前で、年上の人からは学ぶものだと思ってきた。

ところが、スタートアップに入ってみるとまずもって、弱冠16歳で億単位の調達を成功させるプログラマー兼CEOなんてのもいるし、まして自分と同年代や数歳上でIPOした人なんてのもゴロゴロ転がっているわけだ。
僕の人生でいくと、こんなヤバい奴らの中に投げ込まれるまで、そういう人がいることは知っていても関わることがなかった。
とにかく、年齢が関係ない。実力が全て。

26歳なんて若くもなんでもない。

 3.役職名と見た目のギャップが大きい
当たり前の話だが、僕の名刺には「最高執行責任者」なんて文字が並んでいるし、メールの署名も同様だ。
今となってははそんなこと思わないが、仮に僕が前職の営業でダメ元でアポを取ろうと連絡したら返信が返ってきて「COOが対応します。」なんて言われた日には、嬉しい半面「やべぇ、偉い人出てきちゃう」と身構えるところだ。
僕がそうだったということは、逆に同じ感情を相手が抱くこともあるところだろう。

ところがいざ面談に行ってみたら、なんかちょっとヘラヘラした顔のどう見ても自分より若い兄ちゃんが「お待たせいたしましたー」なんて言いながら現れるわけだ。

そして、困惑する

一端の営業マンの僕はその表情を見逃さない


(あ、今、拍子抜けしたな。)

・・・

総合すると、
  • 責任の重さ
  • 年齢とかではなく、単なる実力への疑念
  • もう若いとは言い切れない年代だという気づき
がある中で

  • 嘗められたくない思い
から少しでもハッタリをきかそう

と思って「30くらいです!」と今日も答えるのであった。

会社の成長以上に自分も成長させ続け、早く年齢コンプレックスを解消したいところである。